将来の夢に向けた資金や老後のための資金などを作る際に、大切なのが資産運用です。
資金はそのまま持っていても増やすことはできませんが、資産運用をすることで、効率的に増やせます。
ただし、資産運用はさまざまなタイプがあり、自分の運用スタイルに合ったものを選ぶのが重要になります。
この記事では、
- 資産運用先の選び方と注意点には何があるのか
- おすすめの投資方法はなにか
- それぞれの投資方法のメリットとデメリットはなにか
- 成功確率を高めるためには、どうすればいいのか
などについてもご紹介していきます。
これから資産運用をしていこうと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
資産運用先の選び方
具体的におすすめの資産運用を解説していく前に、資産運用先の選び方を解説していきます。
資産運用先の選び方のポイントは、以下の3つです。
- 分散して投資ができる
- 長期的な運用が可能
- 積立投資に対応している
資産運用の経験がない初心者の方は、この3つのポイントを意識して資産運用先を選んでいきましょう。
次から詳しく解説していきます。
1:分散して投資ができる
なるべくリスクを取らずに、コツコツと資産を増やしていきたいなら、分散投資を意識しましょう。
分散投資とは、その名の通り投資する商品を分散することです。
仮に1つの投資商品に全額を預けて、失敗してしまうと大きな損失になってしまいます。
分散すると、万が一失敗しても損失を抑えられ、他の投資商品でカバーできることもあります。
単純に投資する対象を分散させるだけでも効果的ですが、投資対象の地域や通貨も意識して分散していくといいでしょう。
ただし、分散投資は管理するのが大変になるデメリットもあります。
今回ご紹介しているおすすめの資産運用は、分散投資が管理しやすいものばかりなので、ぜひ参考にしてください。
2:長期的な運用が可能
投資で大切なのが、いかにリスクを減らすかということです。
長期間運用することで、複利効果でしっかりと資産を増やしていけます。
長期間の資産運用は短期間に比べて、リスクが少ないというデータもあります。
また、単純に売買する回数が少なくて済むため、売買手数料がかからないメリットもあります。
しっかりと分散投資をして、長期間の運用をしていくことで、何度も値動きを確認する必要もなくなり、精神的な負担もかかりません。
3:積立投資に対応している
毎月1万円からでも可能な積立投資に対応していると、コツコツと確実に元本を積み上げていけます。
相場を予想する必要がなく、毎回決まった日に、決まった金額を自動で購入するため、自分でタイミングを選んで購入するよりも心理的に楽になります。
一度だけ購入設定をすれば、あとは定期的に確認するだけで、基本的にはほったらかしでも大丈夫です。
できれば前述した「分散して投資ができる」と「長期的な運用が可能」の2つに当てはまっていると、リスクも少なく理想的な条件になります。
おすすめの資産運用を徹底比較
ここからおすすめの資産運用をご紹介していきます。
おすすめの資産運用は、以下の5つです。
- 積立投信
- ロボアドバイザー
- ソーシャルレンディング
- 株式投資
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
長期的な運用が可能で、分散投資がしやすく、さらに積立投資ができる方法を中心に選んでいるので、ぜひ参考にしてください。
1:積立投信
積立投信とは、積立が可能な投資信託のことです。
投資信託というのは、投資の専門家であるファンドマネージャーに、自分たちの代わりに投資をしてもらう仕組みのことをいいます。
ファンドマネージャーは複数の投資家から集めた資金を使って、株式や債券、REITなどに分散して投資をしていきます。

積立投信なら利用する会社にもよりますが、毎月数千円から積立購入ができます。
投資信託は、かなりの種類や本数がありますが、基本的にリスクが低いものが多いので選びやすいです。
小さい金額から専門家に任せられるので、投資に関する知識や経験がない人におすすめします。

積立投信のメリット
投資を始めるには、投資に関してある程度勉強する必要があります。
分散投資することを考えると、株式や債券、REITなど複数の投資商品に関する知識も必要になってきます。
しかし、投資信託であれば、投資に関する知識や経験がある専門家が投資家の代わりに資産運用をしてくれます。
また、投資信託によって内容は異なりますが、さまざまな商品に分散投資をするのが基本です。
分散投資は、色々な投資商品を購入していくので、金額が大きくなりがちですが、投資信託なら毎月数千円から積立投資できます。
金額が小さいため、始めやすいのも魅力の1つです。
積立投信のデメリット
専門家が分散投資をしてくれる投資信託ですが、専門家でも失敗することはあります。
失敗した場合、預けた資金が減ってしまう可能性があります。
リスクが低く、手軽に始められるため、貯金感覚で始める人も多くいますが、あくまでも投資になります。
元本割れの可能性を常に考えておきましょう。
投資信託は「信託報酬」という、投資信託を管理や運用してもらうための手数料が発生します。
直接株式や債券を購入するよりも手数料がかかるので、注意しなくてはいけません。
また、投資信託は非常に数が多く、選びにくいのが難点です。
人気のある投資信託は限られてはいるものの、数千本から選ぶ必要があるので、始めるまでに少し時間がかかるかもしれません。
2:ロボアドバイザー
ロボアドバイザーはAIを利用して、投資をロボットに任せるサービスです。
1回登録さえしてしまえば、あとは自動で投資信託とETFを中心に資産運用をしてくれます。

登録時に年齢や資産運用の目的、年収などを入力するだけで、その人に合った運用プランを提示してくれます。
小さい金額からの積立も可能なので、投資初心者でも始めやすいです。
ロボアドバイザーのメリット
ロボアドバイザーは最適なプランを自動で組み立てて、さらに定期的にリバランスもしてくれます。
投資に関する知識が不要で、手間もかからないのが最大の魅力です。
また、会社によっては、数千円からの積立にも対応しているため、手軽に始められます。
資産運用を任せる点では、投資信託に似ていますが、投資信託は数千本のなかから自分に最適な商品を探す必要があります。
ロボアドバイザーは数社から選択し、質問に応じて最適な運用プランを提示してくれます。
運用をスタートすれば、投資信託とロボアドバイザーのどちらも手間はほとんどかかりません。
しかし、運用を始めるまでは、ロボアドバイザーのほうがハードルは低いでしょう。
ロボアドバイザーのデメリット
ロボアドバイザーは、代わりに資産運用をしてくれますが、その分手数料は高く設定されています。
自分で運用プランを考えて、運用ができる人にとっては、大きなデメリットです。
ただし、投資初心者にとっては、それほど高い手数料ではありません。
手数料が気になる場合は、ロボアドバイザーで運用しながら、投資に関して知識を付けていくといいでしょう。
また、ロボアドバイザーは長期的に運用益を積み重ねていくのが基本です。
短期的に見るとマイナスになってしまうことがあります。
短期間で大きく稼ぐものではないので、じっくりと何年もかけて運用していく必要があります。
3:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、事業に使う資金が必要な企業と資産運用して資金を増やしたい人を繋ぐサービスのことです。
複数の個人投資家から少しずつお金を集める仕組みから「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれています。
集まった資金は企業の事業資金となり、投資家には毎月分配金が支払われます。
運用期間が決まっており、短い案件で半年、長い案件では3年近いものもあります。
1度投資すれば、運用期間が終わるまでは、ほったらかしでも問題ありません。
ソーシャルレンディングのメリット
ソーシャルレンディングは、平均8%という高利回りが最大の魅力です。
また、融資した企業が倒産しない限り、基本的には元本割れしないのも大きなメリットになります。
企業に投資するというと、知識が必要なイメージがありますが、とくに投資に関する知識は必要ありません。
1回投資をすれば、あとは運用期間が終了するのを待つだけなので、手間もかからず管理も簡単です。
少額からでも始められるため、最初はお試しで短期間の運用をすることもできます。
ソーシャルレンディングのデメリット
融資先の企業が倒産したり、業績が悪化すると、預けた資金が返ってこない場合があります。
ソーシャルレンディングサイトに掲載される企業は審査を受けているので、リスクは低いものの、元本割れする可能性はあります。
また、運用期間中は預けた資金を引き出せません。
急に資金が必要になっても、引き出せないので、必ず余裕資金を使って投資しましょう。
4:株式投資
企業が発行している株を購入し、配当金や売却益を得るのが株式投資です。
株式を所有していれば、企業によっては食事券や割引券なども株主優待として貰えます。
株と聞くと難しいイメージがありますが、大企業に絞って投資をすれば、リスクが高い投資方法ではありません。
多少の知識は必要になりますが、積極的に運用益を狙って資産運用をしていきたい人におすすめです。
株式投資のメリット
株を購入したときよりも高く売却できれば、売却益を得られます。
これから株価が上がりそうな企業を見つけることさえできれば、大きく稼げます。
企業が大きく成長すれば、株価が数十倍、数百倍になることもあります。
長期的に株を保有していれば、分配金や株主優待を受け取れます。
これから成長する企業を見つけて、売却益を狙うのは初心者には難しいです。
しかし、現時点で業績の良い企業を見つけるのは比較的簡単です。
分配金や株主優待が目当てなら、そういった企業を見つけて投資していくのをおすすめします。
株式投資のデメリット
株式投資は、初期投資に必要な金額が高いです。
ご紹介した積立投信やロボアドバイザーなどは、1,000円からでも投資が可能でした。
しかし、株式投資は少なくても数万円、ほとんどの銘柄で10万円以上を必要とします。
また、数千社のなかから最適な投資先を見つけるのは、初心者には難しく、購入・売却のタイミングも簡単ではありません。
定期的に株価や経済関連のニュースをチェックし、常に勉強する姿勢が大切になってきます。
難しいですが、上手くいけば短期間でも資産を増やせる可能性はあります。
経済関連のニュースや話題が好きな人、株式投資に興味がある人にはおすすめの方法です。
5:個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人型確定拠出年金は、毎月設定した金額を投資信託や定期預金、保険などに積立投資ができるサービスです。
運用した資金は基本的には、60歳まで積立てて、60歳以降に受け取りになります。
掛け金と運用益は所得控除されるため、老後の資金を効率よく作りたい人におすすめです。

個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリット
個人型確定拠出年金に積立した資金と運用益は、全額所得控除になります。
職業によって異なりますが、年間数万円の節税効果があります。数十年と続けていけば、大きな節税になるので、節税目的にもおすすめです。

老後資金と聞くとハードルが高いように感じますが、最低5,000円から積立ができます。
そこから余裕資金に合わせて、1,000円単位で増減できるので、気軽に始められます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット
老後資金を作るには最適なのですが、60歳まで資金が引き出せないというデメリットがあります。
途中で解約するにはいくつか条件があり、簡単には解約できないので、始める際は注意しましょう。
また、加入手数料と毎月かかる口座管理手数料の2つの手数料がかかります。
月額にすると数百円ですが、数十年と長い期間運用していくと大きな金額になってしまいます。
資産運用で失敗しないために意識すること
資産運用は商品によっては数千円からと、非常に手軽に始められます。
しかし、投資であるため元本割れする可能性はゼロではありません。
まずは、資産運用を始める前に、注意点を確認していきましょう。
注意点は、以下の3つです。
- 資産運用は余裕資金を使うこと
- 最初は小さい金額から始めること
- まずは支出を見直すこと
次から詳しく解説していきます。
1:資産運用は余裕資金を使うこと
資産運用は、生活を切り詰めてまでするものではありませんし、投資をする資金がないからといって、借金をして資産運用をするのは非常にリスクの高い行為です。
必ず余裕資金を使って資産運用をしていきましょう。
余裕資金とは、文字通り余裕を持って用意できる資金のことです。
生活に必要なお金や将来の目標に向けた貯金は、余裕資金にはなりません。
全ての支払いを終えても、まだお金に余裕があるなら、その資金を使って資産運用をしていきましょう。
2:最初は小さい金額から始めること
資産運用では、小さい金額を積立投資していくことをおすすめします。
小さい金額では、大きく増やすことはできませんが、投資に関するストレスが小さくなります。
投資は思っている以上に心理的な負担が大きいため、いきなり大きな金額を預けるのは、ストレスになります。
まずは、投資の雰囲気を知るという意味でも、無理のない小さい金額で資産運用をしてみましょう。
また、小さな金額でも、毎月積み立てていくことで、確実に資産は大きくなっていきます。
3:まずは支出を見直すこと
資産運用は、資産を増やすために投資をすることですが、支出が多い状態では投資が上手くいっても資産は増えません。
収入を増やすよりも、支出を抑えるほうが簡単です。
貯金が全くできていない、という人は、まずは貯金ができるようになりましょう。

最初は大きな支出の見直しをおすすめします。
とくに固定費を見直すと大きく改善することがあります。
家賃やローン、携帯料金、光熱費など、見直すべき箇所は多いのです。
ここ数年見直していない人は、一度見直してみましょう。
ここまでで、資産運用で失敗しないためには、一体何に意識を向けておけばいいのかについてみてきました。
次では、より成功確率を上げるための方法を紹介していきます。
という方はここまででも大丈夫ですが、「少し先の知識も追いたい」という方は、このまま読み進めていただければと思います。
では続けていきます。
資産運用でより成功確率を高めるには
資産運用で成功確率を高めるために、これから紹介する2つのことについても、意識を向けてみましょう。
一見当たり前の内容も含んでいますが、「なぜそうなのか」の理由も明確になるはずです。
前置きが長くなってしまうので、早速解説していきます。
資産運用について勉強する
資産運用で成功確率を高めたいのであれば、ある程度の知識は必須となります。
誰かに任せきりの投資では、経済に何らかの変化があった際にも、すぐに対処することができないでしょう。
なによりも、商品選びで躓くこととなります。
たとえば、投資信託の中には「毎月分配型」という商品があります。
この名を聞くと「分配」という単語があるため、どうしても「利益が出た分の一部が毎月もらえる」イメージを連想しがちです。
しかし「毎月分配型」の多くは、利益ではなく元金を切り崩したものが分配されているのです。
これでは長期的に見た際に、元金がどんどんと減っていくのは目に見えているでしょう。
つまり、投資とは言い難い現状があるのです。
これを投資と呼ぶためには、毎月の分配金を「再投資することで福利効果を生ませる」という方法が使えるでしょう。
このように商品によっては、実は恩恵がないものや、ハイリスクな割にローリターンなものも存在し、その仕組みを知り対処することで効果を発揮するケースもあるのです。
これらを見極めるためには、資産運用の知識が必須といえます。
知っているか否かによって、将来の資産額は大きく変わることもあると、今の段階から念頭に置いておきましょう。
手を出す順番に気を付ける
初めて資産運用として投資をするのであれば、ある程度のステップを追うと、段階的に手幅を広げることができます。
主な流れとしては、以下のようなステップを踏むと良いでしょう。
- ロボアドバイザーで気軽にはじめる
- NISAを活用して投資信託に挑戦
- ソーシャルレンディングに挑戦
資産運用を始めるのであれば、まずは知識不要なロボアドバイザー系の投資を選ぶのが良いでしょう。
ロボアドバイザー系であれば、「ウェルスナビ」というものが近年注目を集めています。

その他には「THEO」などもあるでしょう。
次のステップでは、NISAを活用した投資信託を選ぶと良いです。
節税ができるだけでなく、ロボアドバイザー系とは異なり、自身で買うことができます。
また手数料についてもその分安くなりますので、利益を拡大することにも繋がるでしょう。
この件については、以下の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。


少額投資の最後のステップでは、ソーシャルレンディングに挑戦することです。
こちらも自身で見極めながら商品を選ぶことができます。
ある程度の知識がついてきたら、力試しとして挑戦してみてもいいでしょう。
先にお伝えした通り、預けたお金が目減りするリスクも当然ありますが、基本的には審査に通過した商品となりますので、そこまで怯えることもないでしょう。
ただし、しばらくは投資した資金を引き出すことはできませんので、その点には注意してください。
最適な投資先を見つけよう
資産運用先の選び方と注意点、そしておすすめの資産運用先をご紹介しました。
資産運用と一口に言っても、さまざまなタイプがあります。メリットとデメリットをしっかりと理解して、最適な投資先を見つけましょう。
どうやって資産運用をしていくか迷っている人は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。