「クレジットカード決済の仕組みってどうなっているんだろう?」と思ったことはありませんか?
私たちの生活のあちこちで利用できる便利なクレジットカード。特典の内容や利用シーンによって、複数枚のクレジットカードを使い分け、上手に節約や得をしている人もいます。
この記事では、
- 「クレジットカードで決済した後のお金の流れってどうなっているの?」
- 「クレジットカードを利用するメリットってなに?」
- 「何に気を付ければ失敗しないの?」
- 「カード会社はどうやって儲けているの?」
などの、クレジットカードの疑問について解説していきます。
では早速みていきましょう。
もくじ
クレジットカードが利用できるシーン![クレジットカードが利用できるシーン]()
クレジットカードは決済手段の一つで、利用代金を後払いできるという特徴があります。
カード会社ごとに特典やポイントサービスがあり、現金で支払うよりもクレジットカード決済を利用した方がお得な場面も数多くあります。
ネット通販や店頭で商品を購入する際だけでなく、家賃や公共料金の支払いにも利用できます。
その他、ソーシャルゲームやスマホのアプリ課金での決済や、PASMOやSuicaといった公共機関で使うIC カード乗車券とオートチャージ連動しているタイプなどさまざまです。
クレジットカード決済の仕組み&3者のメリット
クレジットカードが、利用代金を後払いできる決済手段だということはお伝えしました。
私たち(利用者)がクレジットカードを利用した時のお金の流れを、
- 「利用者」
- 「加盟店」
- 「カード会社」
の3者の立場から見ていきましょう。
実店舗で商品をクレジットカード決済したケースでお話します。
利用者のメリット
STEP.1「クレジットカード決済したい」と伝える 商品の会計時に、クレジットカード決済したい旨を店員へと伝えます。
STEP.2カードリーダーに通す 店員にクレジットカードを渡し、カードリーダーに通してもらいます。自身で通すこともあります。
STEP.3クレジットカードの認証をする クレジットカードを作ったときに設定しておいた暗証番号を入力します。金額によってはサインをする場合もあります。
STEP.4決済完了 クレジットカードの認証が通れば、店頭での決済手続きは完了です。
クレジットカードで決済をするときは、私たちが店側に代金を支払う必要はありません。
後日、1ヶ月分をまとめてカード会社に対して支払う(銀行口座から自動引き落としされる)という仕組みです。
利用者にとっては、クレジットカード決済することで、購入時にお金がなくても商品を手に入れられるというメリットがあります。
加盟店のメリット
利用者がクレジットカード決済を行った時、加盟店は利用者に対しては直接代金を請求しません。
それでは誰に請求するのかといいますと、次に出てきますが「カード会社」に対して請求を行っています。
加盟店が利用者のクレジットカード決済(後払い)を受け付けているのは、カード会社が必ずお金を支払ってくれるという安心感があるためです。
加盟店にとってクレジットカード決済を導入するメリットとは、利用者の利便性を高めることにより、お店の商品の売れ行きが良くなることです。
高額商品を販売する場合を考えてみれば分かりやすいでしょう。
たとえば100万円の車を売っていても、「現金で一括支払いしてくれるお客さんにだけ販売します!」という条件であれば、まとまったお金がないお客さん(利用者)は、購入することができません。
しかし、クレジットカード決済で分割払いが可能ということであれば、購入時点でまとまったお金がないお客さんでも車を購入してくれる確率が高まります。
カード会社のメリット
最後に、カード会社の立場を見ていきます。
その前に、ここまでの内容を簡単におさらいしておきましょう。
クレジットカード決済のメリットは
- 利用者:「商品を買いやすくなる」
- 加盟店:「お店の商品が売れやすくなる」
クレジットカード決済とは、利用者と加盟店との間に、カード会社があるからこそ成り立っている仕組みであることが分かります。
こうして見ると、カード会社にとって良いことなんてないように思えます。
しかし、カード会社にもちゃんと儲けがあります。
カード会社にとってのメリットとは「加盟店手数料」による利益です。
加盟店はカード会社に対して、代金請求を行います。
カード会社は加盟店に対して、お金を振り込む時に、あらかじめ手数料を差し引いた分を振り込むようにしているのです。これがカード会社の利益となります。
以上、クレジットカードの仕組みについて、「利用者」「加盟店」「カード会社」3者それぞれの立場からご説明しました。
3者それぞれにメリットがあることが、お分かりいただけたかと思います。
【利用者の立場】クレジットカード決済の7つのメリット
ここからは、私たち利用者が、クレジットカード決済を行うメリットについて、さらに掘り下げて見ていきたいと思います。
特に、現在クレジットカードを作ろうかどうかを迷っている人は、参考にして欲しいと思います。
メリット1.ポイント還元がある
多くのクレジットカードでは、利用金額に応じて利用者に対してポイント還元が行われます。
ポイント還元率はカード会社によってさまざまですが、1.0~3.0%が目安です。
毎月の固定費をクレジットカード決済に設定しておけば、銀行口座引き落としや現金払いよりもお得です。
メリット2.毎月の公共料金支払いが楽になる
生活していく上で、電気・ガス・水道・電話代など、公共料金を毎月支払う必要があります。
最初に公共料金の支払いをクレジットカード決済に設定しておけば、後は引き落としを確認することぐらいなので、管理がとても楽になります。
銀行引き落としにしていても、支払い口座がバラバラだと、引き落としされているかどうかのチェックも一苦労です。
さらに、クレジットカード支払いにしておくことで、銀行引き落としではつかないポイントサービスも受けることができます。
メリット3.ATM利用回数が減る
「買い物はできるだけ現金で行いたい」という考えの人もいるかと思います。
しかし、買い物のたびにATM を利用していては、手数料がかさみます。
土日に買い物することが多いという人であれば、ATMの手数料は平日より割高になってしまいますし、ATM を利用するためにコンビニに寄ると、つい余分なものまで買ってしまいがちです。
クレジットカードを上手に利用することで ATM 利用回数を減らすことができ、その結果節約にもなるのです。
メリット4.現金と違って盗難補償がある
「クレジットカードを紛失したり、盗まれたりした時に悪用されるのが怖い」という理由から、クレジットカードはあまり利用したくないと考えている人もいるかと思います。
意外と知られていないことですが、クレジットカードには紛失・盗難保険が自動付帯しているので、実は現金を持ち歩くよりも安全なのです。
この保険は100%自動付帯なので、手続きを忘れていたから保険がつかないということはありません。
もし紛失や盗難の恐れがある場合は、まずカード会社に連絡しその後警察への届け出を行います。
所定の手続きを踏めば、クレジットカードが不正利用されてしまった場合でも、カード会社に被害額を補償してもらえます。
メリット5.旅行傷害保険が付帯される
クレジットカードは盗難補償だけでなく、旅行時の病気やケガなどの万が一に備えることもできます。
どのカードを所有しているかでも異なりますが、ケガの治療費などで100~200万円、死亡や後遺障害となった場合では2,000万円以上の補償が適用されることもあります。
ただし、所有するクレジットカードの保険が「自動付帯」と「利用付帯」のどちらなのかによって、旅行傷害保険を適用する条件も異なりますので、事前に確認しておく必要があります。
自動付帯
クレジットカードを手元に持っているだけで、保険が自動で適用されるもの
利用付帯
旅行の代金の支払いや、旅行中の公共交通機関の支払いをクレジットカード払いにすることで適用されるもの
メリット6.提携施設や店舗で優待割引が受けられる
クレジットカードを作る目的として特に多いのが、この提携施設などを利用した際に優待割引を受けられるというものです。
たとえば飲食店やカラオケ、ホテルに至るまで幅広く優待割引が適用され、その割引額は無視できないほどになるでしょう。
割引を受ける方法は、非常にかんたんです。提携先であれば、どの店舗でも以下のどちらかの方法で割引を受けられます。
- 利用料金をクレジットカード払いにする
- 店員にクレジットカードの提示をする
クレジットカードさえ持っていれば、かんたんに受けられる優待ですから、ぜひ活用してみてください。
こういった積み重ねをしていくことで、大きな節約ができるのもクレジットカードのメリットとなります。
どの施設や店舗が割引対象になるのかは、クレジットカードによっても異なりますので、気になる方は一度調べてみてもいいかもしれません。

メリット7.家計の流れが把握しやすくなる
固定費の支払いだけでなく日常の買い物にもクレジットカード決済を取り入れれば、家計の流れが把握やすくなるというメリットがあります。
現金支払いが多いと、どうしてもレシートの整理や家計簿をつけるのに手間がかかります。
その点クレジットカード決済であれば、一枚の明細書にカードを利用した日付や加盟店の名前が一覧表示されるため、1ヶ月のお金の使い方を把握しやすくなります。
一昔前はクレジットカードの利用明細書と言ったら、月に一度送られてくる紙の明細書がほとんどでした。
しかし現在は、スマホアプリやパソコン画面でリアルタイムに明細を確認することが可能です。
このように、クレジットカードには、家計の流れを把握しやすくしてくれるというメリットがあります。
【利用者の立場】クレジットカード決済の4つのデメリット
前段落で、クレジットカード決済は便利なだけでなく、節約にもつながることをお伝えしました。
しかし、クレジットカードを使う上では、注意しておかなければならないこともあります。
デメリット1.お金を使い過ぎてしまうことがある
クレジットカード決済は、「お金を使っている」という意識をついつい忘れてしまいがちになってしまうという点が、第一のデメリットです。
これは、クレジットカードが後払いの仕組みであるためです。
現金払いと異なり、財布の中身が減ったという目に見える変化がないため、自分の支払い能力を超えた高い買い物や、衝動買いを誘発してしまうのです。
クレジットカード申込時には利用限度額を設定することできます。
たとえば利用限度額が50万円にしておけば、1ヶ月に50万円を超えた分は利用できません。
だからといって、毎月利用限度額ギリギリいっぱいまで使っていると、そのうち支払いが滞ってしまいます。
クレジットカード決済する際でも、自分のお金を使っているんだという感覚を忘れないようにしましょう。
デメリット2.分割払いのリスク
分割払いでは、月々の支払額が低く抑えられます。
そのため「まだ家計に余裕があるな」と錯覚してしまい、さらに新たな分割払いを積み重ねてしまうということもあります。
また、収入が減ったり、他に急な出費があったりして、予定していた支払額を支払えなくなってしまうこともあります。
デメリット3.リボ払いにするとなかなか元金が減らないこともある
分割払いの中でも、特に注意が必要なのが、リボルビング払い(リボ払い)です。
通常の分割払いが、
- 「3回に分けて支払い終える」
- 「6回に分けて支払い終える」
など、支払う回数を指定するのに対し、リボ払いでは「月々1万ずつ」「月々5万ずつ」のように、毎月の支払い額を定めます。
月々の支払額が明確になって良いように思われるのですが、リボ払いで買い物を積み重ねていくことで当初より支払残高が増えてしまうということがあります。
支払い残高が増えると、支払期間が延び、手数料を含めた支払額がどんどん増えていってしまいます。
リボ払いにすると、毎月支払っている金額が手数料分だけで、実は元金は1円も減っていない、という恐ろしい悪循環にハマってしまうこともあるのです。
そういった事態を防ぐためにも、基本的にクレジットカードの支払いでは一括払いを鉄則とし、それが難しいのであれば「最大でも3回払いとする」など、自身の中でルールを設けておくようにしましょう。
デメリット4.不正利用の補償に期限がある
メリットの紹介をした際に、「不正利用されてしまった場合でも、カード会社が被害額を補償してくれる」とお伝えしました。
しかしその補償が受けられるのは、一般的に60~90日以内に不正利用された旨をクレジットカード会社に連絡した場合です。
この期間を過ぎてしまえば補償対象外となり、大きな損害となってしまうでしょう。
そのため、利用明細に不正利用された形跡がないかは、定期的に確認しておく必要があります。
クレジットカードの便利な機能
ここからは、クレジットカードの便利な機能について、「ショッピング機能」と「キャッシング機能」の2つをご説明します。
便利な機能1.ショッピング機能
クレジットカードのショッピング機能は、加盟店での買い物時に利用します。
この記事でも何度かお伝えしていますが、代金は後払いで、欲しい商品を手に入れたりサービスを受けたりできる点が特長です。
クレジットカードを持つ、というと、まずはこの使い方を想定する人が多いのではないでしょうか。
便利な機能2.キャッシング機能
一方、クレジットカードのキャッシング機能とは、一言で言うと「カード会社から現金を借りられる機能」です。
クレジットカードのショッピング機能を知っていても、このキャッシング機能について知らないという人は、意外と多いものです。
ショッピング機能は、加盟店でしか利用することはできませんでした。また、手元に現金が入るわけではないため、ご祝儀を包みたい時など、現金が必要な場面で用いることはできません。
その点、キャッシング機能を使って手に入れた現金は、加盟店に限らず使うことができます。
クレジットカード決済が不可のお店での買い物や、現金が必要な場面で、キャッシング機能は活躍してくれます。
便利な機能を使う際の注意点
ショッピング機能やキャッシング機能を使う際は、どちらも使いすぎに注意しましょう。
特に、キャッシング機能です。
カード会社からお金を借りている状態ですので、返済時には利息がつきます。
利息はカード会社によって異なりますが、楽天カードのキャッシュ機能を例に挙げますと、1万円を30日後に返済した場合で、147円の利息がかかります。
各カード会社の公式サイトや専用アプリで、返済額を自動資産してくれるページを準備しているところもあります。
これらを活用し、返済を見据えた借り入れを行うようにしましょう。
初めての一枚を選ぶ時に注目したい3つのポイント
クレジットカードと一言に言っても、発行するカード会社によって少しずつ違いがあります。
初めてクレジットカードを作ろうと考えている方は、これからお伝えする3つのポイントをカード選びの参考にしてみてください。
また、より詳しく選び方を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみましょう。

1.年会費で選ぶ
年会費無料であってもポイント還元率が高くサービスが充実しているクレジットカードも多いです。
特に、初めての一枚ということであれば、年会費無料に絞って良いでしょう。
では、年会費無料と有料で何が違うのかと言うと、付帯保険や家族カードの充実があるかどうかです。
また、年会費の額に応じてもステータスに違いが出てきます。
たとえば、年会費が1万円以上のゴールドカードであれば、国内主要空港の専用ラウンジを無料で利用できたり、無料で医師による健康診断を受けたりもできます。
しかし、旅行中の怪我について他の保険でカバーできたり、そもそも旅行する機会が少なかったり、ステータスについてもあまり気にしないということであれば、年会費無料で十分です。
2.ポイント還元率で選ぶ
初めてのクレジットカードを選ぶ際、年会費の次に着目したいのは、ポイント還元率です。
毎月決まった支払いをクレジットカード決済することによって、現金支払いよりもお得になる可能性があることはお伝えしました。
ポイント還元率が高ければ、それだけ節約にもなります。
たとえば楽天カードのように、カード会社や系列会社が運営するショッピングサイトやサービスを利用することによって、ポイント還元率がアップする仕組みのクレジットカードも多数あります。
まずは、自分が日頃からよく利用する加盟店やネットショップ、今後活用していきたいサービスなどがあれば、書き出してみましょう。
3.カード会員ならではの特典で選ぶ
先にお伝えした通り、クレジットカードによってさまざまな特典が準備されています。
LOFTカードやMUJIカードのように、各企業が発行しているクレジットカードであれば、定期的に割引価格でショッピングを楽しむことができます。
ビジネスや旅行で飛行機に乗る機会が多い人であれば、ANAマイルが貯まるクレジットカードがお得です。
TOHOシネマズが発行するシネマイレージカードには「映画を6本観れば、1本ご招待」という特典があります。
自分のお気に入りのショップがクレジットカードを発行している場合は、特典をチェックしてみるといいでしょう。

クレジットカードの仕組みを知り、日常の買い物にも活用しましょう!
クレジットカードは、利用時の注意点を押さえれば、便利でお得な決済手段です。
お金の流れを把握したり節約に役立てることもできるので、日常の買い物にもぜひ活用していきましょう。
カード会社ごとに、特典やポイントサービスもさまざまです。
いくつか比較し、ご自分のライフスタイルに適したカードを選ぶようにしましょう。